海の日を含む3連休の初日。朝食を食べ、息子を小学校に送り出してのんびりした土曜日の午前、新聞の折り込み広告を眺めている。ところで、海の日っていつから休みになったんだ。休みが増えるのは嬉しいけどさ、その分だけ休日出勤が増えるだけだったりするのはなんでなの。今回は3日とも休むけどさ。それにしても不動産広告が多いもんだと思っていたら、なぜだか突如モデルルームでも見に行こうかという気になる。息子が学校から帰ってきたので、折り込み広告の中から近くで目ぼしい物件を2〜3枚抜き取っておいて、ファミレスでお昼ごはんの後、そのままモデルルームを見に行くことにした。
最初に見に行ったのは会社からも近い分譲マンションの売れ残りである。私は全然覚えていないが、女房がいうには2〜3ケ月前に抽選売り出しの広告が入っていたと言う。正確には売れなかったのではなく、抽選で当選した人がなんらかの事情で辞退したものらしい(と販売会社の営業マンは言っていた)。
そういう事情なので、間取りや階数のすべてが選べるわけではない。「これだけしかないのぉ」なんて営業マンを苛めていると(^_^;)、「ローンの関係なんかで解約がでそうな物件もあるんですよ。お気に入りの物件があったら、そういう中からこっちから断っておまわしすることもできますが。」などという。ぉぃぉぃ、そんなことしていいのか。(^_^;)
売れ残りの中では一番広い間取りの物件が角部屋で、どうせ引っ越すならこんなのがいいなぁと思う。全然買う気なんかなかったのだが、営業マンが「試しに資金計画を計算してみましょうか?」などというから適当に頷いているうちに出来上がってきた。それを見てるとなんか買えそうな気がしてきてしまった。毎月やボーナス時の返済もなんとかなりそうだ。ただし、35年ローンということを除けばだけど。ちなみに私は現在42才。35年ローンが払い終わるのは定年後20年近い。ということは、ローン期間のうち半分しか収入がないということだ。大丈夫か?普通に考えて大丈夫なわけがない。(^_^;)
とりあえず、パンフレットや資金計算書などを貰って帰る。
ついでにもう一つ、こんどは会社からはちょっと遠いが、安くて広そうな物件を見に行くことにした。パンフレットを見ると周囲には緑が多いらしい。確かに緑は多いが、それって不便だってことにもつながるということを再確認させられた。だってバス停まで坂道を5分位歩かなきゃいけないし、一番近いお店がそのバス停の近くのコンビニというのもなんだかなぁである。ちょっとタバコを買いにいくこともできやしない。ちなみに私はタバコは吸わない。が、ちょっと缶ビールでも買いにいかなきゃということはよくある。(^_^;)
こっちはすでに建物本体は出来上がっていて、内装工事や外構・植採工事なんかをしている最中だった。当然、こっちも売れ残り物件だ(この業界では売れ残り物件というのは「先着順受け付け中」というようだ)。こっちはどうも本当に売れ残ったような気がするが確認したわけではない。敷地内の駐車場台数が販売戸数分には少々足りなくて、抽選で外れた人は敷地外の駐車場を契約することになるという。難色を示すと、こっちの営業マンは「なんとかしますよ。2台目でもOKです。」てなことをいう。とすると抽選ていうのは一体なんなんだ。やっぱり不動産関係って、扱う金額が大きいせいか、良くいえば融通が効くというか、悪くいうといい加減なところがあるみたい。
今日も別の物件を見に行くことにする。今日のは、昨日見た2件と比べると会社からの距離は中間くらいだが、広くて高い(お値段がね)物件だ。で、こっちも売れ残り物件(おっと「先着順受け付け中」)だ。なんで売れ残り物件ばっかりなんだろう。
こっちでも資金計画を試算して貰ったが、さすがにお値段が高いだけあって、35年ローンでも支払い金額も大きいし、その上、管理費なども高いので、毎月の生活に支障を来してしまいそうだ。営業ウーマン(ここの営業はベテランのおばさんだ)は、「お客様くらいの収入あれば大丈夫ですよ。もっと若くて収入が少ない方でもこの物件が欲しいとおっしゃる方もいらっしゃいますよ。」などと言葉巧みに勧めてくる。「そりゃそうでしょ。30才くらいの人より収入多くなきゃ困るよ。でもね、こっちは35年間もローンを払うわけにゃいかないんだよ。定年まであと20年もないんだよ。」と心の中でつぶやく。私は気が弱いので思ったこともなかなか口に出せないのだ。
ということで、本日2つめの物件を見に行く。今度のも、方向は違うが、会社からの距離などはほぼ同じような条件。違うのは、最初のが一棟だけのマンションだったのに対して、今度のは大規模開発だということ。かなり広い計画地域の端っこにある販売センターを訪れると、対応してくれたのは若くて綺麗なお姉さんで、なんとなく嬉しい。(^_^;)
こっちは、ちょうど募集が終わったばかりで、次回の募集は2〜3ケ月後だという。参考までにモデルルームを見学し、パンフレットを貰い、ついでに価格も聞いてみたが、広くて環境もいいだけに午前中の物件よりももう一段高くて、とても手が出そうにない。相手も同じことを感じたのかどうか知らないが、「資金計画を計算してみましょうか」とも言ってくれない。お姉さんが綺麗なだけにちょっと余計に悲しい。(;_;)
4カ所の物件を見てきたが、最初の物件が場所、間取り、値段のバランスから一番良さそうな気がしてきた。ただ、2日目に広い物件を見たあとで、面積的には10〜20m2も狭いこの物件をどう感じるか確認してみたかったので、もう一度行ってみることにした。モデルルームに行くと、初日に対応してくれた営業マンは他のお客の対応中で、終わるまで代わりに若くて綺麗なお姉さんが対応してくれた。昨日といい、今日といい、不動産販売業には綺麗なお姉さんが多いのだろうか。もしそうだとすれば私は就職する業界を選び間違えたのかも知れない。ちなみに昨日のお姉さんと今日のお姉さんはタイプは全然違うが両方とも私のタイプである。(^_^;)
営業マンが戻ってきたので、「気に入ったのだが、私は急いでいるわけではないし、他にも空きそうな物件があるという話だったので、空いたら教えて欲しい」というと、空きそうな部屋を調べてくるといって、しばらくして事務所から戻ってきた。私たちが気に入っていたタイプのもう少し上層階の部屋が空きそうだという。少々高くなるが、資金計画試算でもなんとかなりそうだ。数日後がそのお客さんがキャンセルするかどうかの期限になっているのだが、私が契約すると言ってくれればこちらからお断りする、という。本当に買うかどうかの決心もしていなかったので、一晩考えさせてくれといって帰ってきた。営業マンからは、7月末の決算までに契約してくれるなら多少のサービスも考えるようなことを言っていた。
前夜、帰ってきてから女房とも相談して、会社から、「そのお客さんがキャンセルしたら申し込みたいが、販売会社の方から断るようなことはしなくてもよい」と電話したら、営業マンはあっさりと「昨夜、こっちのほうから断りましたから、ぜひ契約してください」と言うではないか。そんなんアリかぁ。こっちのほうがビックリしてしまう。
取り敢えずその場は、次の週末までによく考えて、その気になったら週末に正式に申し込むということにした。
申込金10万円を持って現地販売センターに出向く。申込書に記入、ハンコを押して渡すと、次は7月31日までに正式契約して欲しいという。8月初旬に帰省するので、その後ではだめかと聞いたが、是非、7月中にという。そういや、7月末の決算がどうのと言っていたことを思い出し、7月31日のお昼休みに会社を抜け出して契約しにくることにした。
お昼休みに会社の前まで女房に迎えにきて貰い、販売センターに行く。前日に契約金200万円から申込金10万円を差し引いた190万円を振り込んでおいた。
長々と重要事項の説明を受け(眠くて眠くてしかたがなかったとあとで女房が言っていた)、契約書とローンの申込書にたくさん判を押して契約終了。いよいよ私も借金持ちかぁ、と感慨深いものがある。
# 実はこれからが大変だったのだが(^_^;)。