初めてのマンション購入資金はわずかな蓄えの他は、残り全てを住宅金融公庫から借りることができたが、借り入れのためにはいろいろと面倒な手続きが必要になった。簡単に借りることができるなんて思っていたわけでは毛頭ないが、こんなに面倒なものとは思っていなかったのも事実だ。
自己資金が少ないわりには、住宅金融公庫からの借り入れだけで済ませられたのは、各種の割り増し融資が受けられたからだが、その一つに「初めてマイホーム加算」というのがあった。これは、過去5年間以内に自分や親族の持ち家に住んだことがない人が受けられるものだ。私は、現在の社宅に約1年半、転勤で越してくる以前は関東平野の端っこの地方都市で賃貸住宅に7年間住んでいたし、そのもっと以前は首都圏の賃貸マンションに住んでいたので、正真正銘の初めてのマイホームになる。ところが、初めてのマイホームであることを証明しないとこの特別加算は受けられないのだという。
マイホームに住んだことがないことの証明は、社宅なら会社からの社宅居住証明書、賃貸住宅なら賃貸契約書の写しがあればいいのだが、あいにくと昔の賃貸契約書は最後の契約更新後のものしか残っていなかった。2年毎の更新で7年間住んでいたので、この契約書では1年分の証明にしかならない。現在の社宅と合わせても2年半しかない。ここから面倒なことが始まったのだった。
マンション販売会社の営業マンは、以前住んでいたところの「住民票除票」と、その建物の「登記簿謄本」を取ってくれば良いと簡単にいってくれる。
ここでワンポイント豆知識。
住民票除票 引っ越してしまったあとでも、市役所等にはデータが保管してある。このデータには、いつ転入していつ転出したかが書いてあるので、その期間、その住所に住んでいたことを証明できる。 登記簿謄本 住民票除票で証明された住所の建物が、自分のものではないということを証明する。法務局で正確な住所を言って申し込めば誰でも取得できるのは、「ナニワ金融道」を読んでいる人は知っていると思う。
取ってくればいいと簡単にいうが、私が住んでいたのは地方都市である。ちょっとそこで証明書を貰ってくるというわけにはいかないんだよ。しかしお役所にいってこの書類を貰ってこないと、特別加算は受けられない。そうなると資金不足になるので、年金融資とか銀行融資とかにも頼らないといけなくなる。そうなるとまたまたたくさんの書類と手数料が必要になってしまう。
ということで、仕方がないので、一日休みを取って出掛けることにした。高速代、ガソリン代、昼飯代その他いろいろで結局1万円余りの出費が必要だった。(しかも、法務局の場所が分からずにたらい回しにあってしまった。)それでも、別の金融機関から融資を受けるよりは費用も手続きも簡単なんだそうである。そうなんだろうけどね。どっちにしても結構大変なんだなぁ、とつくづく実感した。
住宅金融公庫からの融資は、引っ越し後に実行(販売会社への直接振り込み)がされるということを知らなかった。私の買ったマンションは年末に引き渡しになるが、息子の学校の都合(転校)もあり、年度末の3月に引っ越すつもりでいた。ところが、それでは引っ越すまで融資が降りないという。さて、困った。これは現在進行中である。さて、どうなるのか。
私だけが最初に住民票を移動させる方向で検討している。私は社宅住まいなので、従業員本人が社宅を転出してもいいものかどうか、会社にお伺いをたててみたところ、数カ月のことならいいだろうと了解をもらった。あとは学校だ。
学校も本人と母親が現在の住所に残るので問題はないということだ。考えてみれば単身赴任みたいなものなんだから当たり前かも知れない。単身赴任で住民票を移す父親がどれくらいいるのか知らないが。
年も明けたので、まずは自分だけの住民票を移した。同じ区内なので区役所で一回で済んでしまうので簡単だ。普通なら転出・転入の二回、それぞれ市役所などに出向かなければならない。世帯主の自分だけが住所を変更するので、残った中から女房が新しい世帯主ということになった。住民票だけをみると母子家庭みたいだ。そして私は花の独身ということに。(^_^;)
子供の3学期も終わったので、女房と子供たちも住所変更手続きをした。まだ実際には住んでいないのだけれど、住所変更をしないと転校手続きができないのでしかたがない。これでようやく単身赴任状態(住民票の上だけのことだが)も解消だ。
息子の転校手続きも済ませて、あとは実際に引っ越すだけになった。公式な手続きはこれだけで終わりだが、このあと、銀行やクレジットカードの住所変更届け、あちこちの加入先への住所変更届け、返済の関係で我が家のメインバンクが変わってしまうので各種の自動振り込み口座の変更等々、まだまだ細々したものが残っているが、とりあえず大物が住んだので随分と気が楽になった。まぁ、あとはなんとかなるでしょう。
ゴールデンウィークに入って、5月1日は会社は休みだがお役所関係は休みではないので、運転免許証の住所変更にでかけてきた。1月に新住所の住民票を交付してもらってから4ケ月も経ってしまっているのでちょっと不安だったが、特に何もいわれずに終了。
よく見ると2年前に転勤で社宅に移ってきた時も、5月1日に住所変更をしていた。一枚の免許証の裏に2回も住所変更が書いてあるのがなかなかである。